【司祭メッセージ】
助任司祭 ダファーダー・ドミニク 神父様
「マリア様の被昇天」
由比ガ浜カトリック教会の愛する皆さん、マリア様の被昇天おめでとうございます。
マリア様の被昇天は私たち由比ヶ浜教会にとって特別な日です。なぜなら、私たちの教会は「被昇天の聖母」に捧げられた聖堂だからです。1913年、この教会はパリ外国宣教会によって設立され、鎌倉で最も古いカトリック教会としての歩みが始まりました。マリア様はこの教会の守護者として、教会が建てられて以来、優しくすべての信者を見守ってくださっています。
毎年8月15日、カトリック教会では「聖母の被昇天」の祝日を祝います。これは、イエス・キリストの母である聖母マリアが地上の生涯を終え、肉体と魂が共に天に上げられたことを記念する日です。マリア様は地上にあっては神のご計画に忠実に従い、信仰に満ちた生活を送られました。そして、その最期には、特別な恵みとして、天の栄光に引き上げられたのです。
カトリック教会においてマリア様について四つの教義「DOGMA」があります。教義は私たちの信仰の道に設けられた灯火、その道を照らし、確実なものとします(カトリック教会のカテキズム89番)。この四つの教義のうちの一つはマリア様の被昇天に関するものです。1950年11月1日、教皇ピウス12世はムネフィセントゥス・デウス(Munificentissimus Deus)という回勅を宣言されました。これは「聖母の被昇天」という信仰に深く関わっています。つまり、マリア様はその誕生の時から原罪を持たず、神の特別な恵みによって守られて天に上げられたという事です。神様のご計画によってイエス・キリストをこの世にお迎えするためには、清く汚れのない存在が必要でした。それがマリア様だったのです。
神の母であるマリア様は、決して私たちを見捨てることがありません。ヨハネの福音書に、十字架の上でイエスがマリアに向かって「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」、そして、弟子に向かって「見なさい。あなたの母です」(ヨハネ19:26–27)と語られた場面があります。このイエスの言葉によって、マリア様は全教会の母となられました。私たちは洗礼を通してイエスと一つに結ばれ、神の子とされ、同時にマリア様の子供ともされるのです。そして、マリア様の被昇天は、私たちすべての信者にとって大きな希望の源です。それは、私たちもキリストによって約束された天の栄光にあずかることができる、という確信を与えてくれる出来事です。マリア様が天に上げられたということは、私たちもまた、いつか神のみもとに迎え入れられるという希望のしるしなのです。これこそが、私たちに与えられた「聖母マリアの被昇天」のメッセージなのです。
由比ガ浜教会は「被昇天の聖母」に捧げられた聖なる場所です。私たちにとって、この場所はただの建物ではなく、イエスが建てられた「神の家」であり、私たち信者の「共同体の家」でもあります。現代社会において私たちは多くの悩みや困難、ストレスを抱えて生きています。けれども、このような状況のなか、教会は安心と喜びをもって過ごすことのできる場所です。
この教会で、私たちはマリア様の生き方に倣い、お互いに祈り合い、助け合い、共に泣き、共に喜びながら歩んでいきます。私たちの教会は決して完璧な場所ではありませんが、共に生きる場として、互いに「愛され、大切にされている」と感じられる場所なのです。これこそが、カトリック教会の姿です。由比ヶ浜教会に属している私たちは、マリア様のように神に信頼し、希望を持って人生を歩んでいきましょう。そして、マリア様の子どもとして、イエス様の弟子として、由比ガ浜教会の名にふさわしい信仰の証し人になれるよう祈りましょう。
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更新履歴
2025年 8月 1日:「司祭メッセージ」を更新しました。
2025年 7月25日:「8月の典礼」を更新しました。
2025年 6月13日:「7月の典礼」「司祭メッセージ」を更新しました。
2025年 5月30日:「6月の典礼」を更新しました。
2025年 4月26日:「5月の典礼」「司祭メッセージ」を更新しました。