【司祭メッセージ】
カトリック雪ノ下教会 主任司祭 古川勉 神父様
「四旬節にあって」
四旬節になりました。この時期は復活祭に向けて洗礼志願者とともに教会全体が洗礼の意味を見つめ直し、より良い生き方、社会の在り方を考える時かと思います。また個人や社会の在り方を考えるとともに私たち教会の在り方も考えることも大事なことでしょう。
世界の人口は一昨年、80億人を超えました。その中でカトリック信徒数は13億6千万程かと思いますが、カトリック人口はいつも徐々に伸びているとはいえ、ここ数十年の世界人口の伸び率に追いついていないのが現状です。地域別にみてもアフリカ、南北アメリカ、アジアでは大きな信徒数増加が見られますが、逆にヨーロッパは減少してきています。世界の司祭数推移を見ていてもアジア、アフリカは増加していますが、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアでは大幅に減少してきています。
日本ではカトリック人口の推移はここ30年ほどの期間、41万~44万人代とあまり大きな増減はありません。ただ近年は外国籍信徒数が大幅に増えてきている中、諸外国では在籍という概念がないため、日本の教会に通っても在籍手続きをする方は少ないため正確な信徒数の実態がつかみにくいところです。地域によっては外国籍信徒が日本人信徒より圧倒的に多く、財政面でも、運営能力面でも外国籍信徒によって成り立っている、と言える教会も少なくありません。35年以上前までは「外国籍信徒をよりよく受け入れる」という意味合いの目標がよく教会内で語られていましたが、現在はそうした言い方は現状に全くそぐわない、ことがわかります。同時に考えなければいけないかもしれないことに主日ミサ参加者数の減少があります。1996年は全国で約17万人の主日ミサ参加総数でしたが2022年は6~7万人と大幅に下がっています。新型コロナもありますが高齢化の影響が大きいものです。
それに伴って毎年の教会への献金額減少がコロナ前早い段階から始まり、徐々に課題となってきました。由比ガ浜教会では特に月定献金を納めている全ての世帯主の内、70歳以上の年齢層が半数以上です。これは由比ガ浜教会だけではなく近隣、数か所のカトリック教会にも全く同じ傾向が見られます。おそらく多くのカトリック教会も同じ傾向かと思います。
何か悲観的に聞こえる話になってしまったかもしれませんが、もちろん教会は信徒数や献金額で一喜一憂するものではありません。教会はどのような形であれ、変わらずイエスをたたえ、イエスにつき従っていく者の群れです。自分たちが嵐で沈みそうに感じても、イエスは変わらず世の中に対して前へ進む存在です。教会はそのイエスに憧れ、少しでもイエスと共に歩もうとする者の集まりです(マタイ14・22~33、マルコ6・45~52参照)。
しかしながら同時にこうした持ち物(建物等)を持っている集まりとして、誰もお客様になることなく、自分たちで今後、どのように歩んでいくのか課題、問題意識をもって成長していかなければならないのも事実です。
より良い由比ガ浜教会の歩みを共に作り上げていきたいと思います。
<マリオ・バラーロ神父様の近況>
由比ガ浜教会前主任司祭マリオ・バラーロ神父様は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で帰国が出来ずにいらっしゃいましたが、急遽ご帰国が実現し、去る2022年8月9日無事イタリアに到着され、ミラノ外国宣教会の施設に入られました。
今までの60余年にわたるマリオ神父様のお働きに感謝し、これからもマリオ神父様の上に神の豊かなお恵みがありますよう、皆でともにお祈りしましょう。
由比ガ浜教会主任司祭 古川勉神父様メッセージより
マリオ神父様 メッセージ
「こころから感謝!」
11月半ばごろから、身体の調子がおかしくなり、11月末から2週間入院しました。
一時的に元気になって、共にクリスマスを祝うことができましたが、31日の大晦日に肺炎でまた入院してしまいました。検査の結果、心臓がとても危ない状態になっていたことがわかり、その治療に励んでいました。
2ヵ月以上の入院で、教会のことをほったらかしにしてしまい、皆さんには大変なご迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。雪ノ下教会の神父様方には、協力していただき心から感謝いたします。また、多くの方々に祈っていただき感謝いたします。
しかし、残念ながら、私の心臓は完全に治る病気ではなく、教会の責任を果たすことができなくなってしまいました。このため、イタリアにあるミラノ会の宣教師のための施設に入ることにしました。日本から離れることはとても辛いですが、やむを得ないことでしょう。片瀬から、由比ガ浜に転任した時、片瀬教会の皆さんとのお別れの挨拶に書いたように、ガンジ-の言葉を皆様にも繰り返し書かせていただきます。
由比ガ浜の皆さんとは、共に2年間足らずでしたが・・・。
『良かったことを無くなったから嘆くのではなく、あったから感謝いたします。』
最後に、もし皆さんを悲しませたことがあったら、心からお詫びします。そのつもりではなかったのです。そして皆さんにお世話になったことを感謝いたします。どうぞ、皆さんは今まで以上に良い共同体となって、キリストを人々に伝える熱意を、益々深められるよう心から祈ります。身体は離れても、心はいつも一緒です。
皆さんが絶望にあっても、主を信頼できますように。
暗闇に遭っても、主の光で照らされますように。
雲に隠れても、太陽があると信じられますように。
神が沈黙しても、私たちはそのみ手の中にあると信じられますように。
それではあらためて感謝しながら、神の祝福がありますように、心から祈ります。
マリオ・バラーロ
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